カナン「動かないで!
こっちは2人、変な行動をしたらあなたを制圧するわ!」

カナンは壁にかかっている絵を額縁ごと引き剥がすと、振りかぶって威嚇してみせた。

??「ロジィィ…ギィァ゙ァ゙……。」

カナン「何、なんて言ってるの?」

ゴートン「うぉぉっ!」

人型が少したじろいだ様子を見せた瞬間、ゴートンはタックルでその体を壁に押し付けた!

しかし、人形の化け物はゴートンを押し返して引き剥がしにかかってくる。

ゴートン「(なんて力だ…!)」

押し戻される瞬間、ゴートンは相手の腕を取り身を翻して人型を投げ飛ばした。

すぐ横にあった空室のドアに突っ込んだ人型は、勢いよく部屋の中に転がり込んでいった。

ゴートンはすかさずドアを閉め、レバーを握って人型を閉じ込めた。

ゴートン「カナンくん、人を呼んできてくれ!」

カナン「わかりました!」

カナンは一般区画に向かって走った。一般通路に出たそのとき

突如として異変が起きた。

轟音が鳴り響き、船が大きく揺れてカナンは壁に激突した。

カナン「何!?今の」

しかし、確かめている暇はない。

カナンはインフォメーションまで走り、数名の乗組員を連れて戻ってきた。

ひとりは麻酔銃を携えている。

人型と遭遇した通路まで戻るとゴートンの姿はなく、人型を閉じ込めていたドアは開いていた。

カナン「…船長さん?」

恐る恐る部屋を除くと、船員の服を着た大柄な男が横たわっている。顔面を潰されているが間違いなくゴートンだった。