カナンの部屋

今の衝撃で荷物の一部が崩れて散らかっている。

窓の外には真っ黒な煙がもくもくと立ち上がっている。吹き込んでくる熱風からも、火災が起きているのは間違いないだろう。

通路からも窓からも逃げるのは危険に思える。少しこのまま様子を見てみよう。

そう考えのが誤りだったことにすぐ気づくことになった。

気がつくと通路からも外壁側からも火が押し寄せていて、身動きができなくなってしまった。

カナン「(ごめんなさい、シーナ。
ごめんなさい、お父さん。)」

船旅に誘ってしまった友人と、陸で帰りを待っているはずのたった一人の家族を思い出して、泣きじゃくることしかすでにできなかった。