レンは、カラフルな瓶に入ったなんとも言えない複雑な臭いの薬を手に取った。

途端にジェイの表情が凍りついた。

投げつける素振りをしてみると、怖がるのではなく近寄ってきた。

ジェイ「その薬離せ!ゆっくり棚に戻すんだ。」

とても貴重な薬のようだ。

レン「…わかった。すぐに置くから、近づかないでくれよ。」

そういうとレンは、男の少し後ろに落ちるように瓶を天井スレスレまで高く放り投げた。

ジェイ「うゎっ!」。

ジェイは薬を受け止めようと後退り、壁に倒れかかりながら全身でキャッチした。

ジェイ「このクソガキ!」

レンはその隙にトーテルを連れて部屋を脱出した。トーテルはよろよろと走るのが精一杯だったが、なんとか階段までたどり着いた。