レンは、この部落が嫌いだった。
閉鎖的で湿っぽい考えの人が多く、何よりも自分もそうだったから。
この部落以外の人たちはもっと嫌いだった。
関係性もないのに嫌悪感を抱かれたり、たまに優しい人は興味本位で話しかけてくるだけだ。
だから、一般国民と一緒員旅行するなんて、本当は絶対に行きたくなかった。
レン「…うん。」
クル「行きましょう。
あなたは嫌かもしれないけれど、こういう機会に交流するのは大事なことなのよ。
きっと楽しいことがあるから、諦めて楽しみなさい。」
この人たちは身寄りが無くなっった僕を住まわせてくれている親戚のおじさんとおばさんだ。
とても良くしてもらってるけど、意見が合わないことが多い。
今回の旅行もそう。
僕らコリーネ部落の団体を招待する旅行ツアーに喜んで参加しているのだ。こういうのはそこらで起きている迫害のカムフラージュとか、国の方針のイメージアップに利用しているだけだって聞いたことがある。
もちろん本当のことはわからなくても、疑う心を持たないと何も変わらないんじゃないかと思う。
そんなことを考えているうちに、船に乗る時刻になった。
確かに立派な船だ。
大勢の乗客と一緒にタラップを上っていく。いろいろな匂いが混ざりあって鼻が曲がりそうだ。