俺は大手企業に務め一流のキャリアを積み上げる、エリートコースに乗ったサラリーマンだ。 財賀グループ 匙下電器産業 第一営業部に所属し、順調にキャリアを積んでいた。 そんな俺に舞い込んだ、社の未来を左右する大きなプロジェクトリーダーのチャンス。 もちろん俺は手を尽くしてこの仕事を成功させるために邁進し、経過は順調だった。 しかし、あることがきっかけでプロジェクトは暗礁に乗り上げることになる。 腹心の部下である伊藤が、うちの会社で独占していたキーとなる情報をライバル企業に横流しし、自身も高飛びしてしまったのだ。 聞くところによると、伊藤はギャンブル依存から借金を抱え、個人情報から勤務先の情報までタチの悪い組織に握られていたらしい。 このプロジェクトの情報を強要されたのか、または保身のために自ら売ったのか…。