シーナ「いえ、特に。
でも確かに団体で参加している人たちがいるみたいね。私たち一般の参加者とは違うのかしら。
誰かお探しなんですか?」

ユークレース「いえ、そういうわけじゃないんだけど。特に関わってないならならいいの。」

なんとなく気になる言い方だったが、詮索するのも気が引けて何とも言えない間が生まれた。するとユークレースは声を潜めて続けた。

ユークレース「あの一団には、あまり関わらない方がいいわよ」

カナン「え、あの人達は何かあるんですか?」

ユークレース「そうね、聞いた話だけど、特殊な素性の人たちらしいわ。
普通に接する分には問題ないと思うけど、あまり親しくなるのはよくないかも…。
ごめんね、私も詳しくは知らないからあまり気にしなくてもいいのよ。」

にこっと笑って誤魔化された。なんとなく追求しづらいのは、彼女が美人だからだろうか。

しばらく談笑した後、また後日の夕食の約束をするとユークレースは席を立った。

ユークレース「楽しかったわ。2人ともまた。楽しんでね。」

軽く手を振って席を離れ廊下まで出ると、肩を落としてため息をついた。

ユークレース「私だめね。甘すぎるわ。」

カナンたちも食事を終えることにした。