カナンの部屋
カナン「次の港に着くのは明後日だったよね。明日はカフェに行って、それから何をしようかなぁ。」
シーナ「そうだね。夜は何か催し物があるみたいだけど、船の旅ってずっと自由時間なんだ。」
2人はあれこれと話し込んでいたが、そのうちどちらからともなくベッドに入った。慣れない遠出と旅行にはしゃいでいて思ったよりも疲れてしまったようだ。
カナン「…はぁ。修学旅行の中学生じゃないんだから。」
もう一度寝ようとしてしばらく目を閉じてみたが、一向に寝付けないので諦めて船内を散歩することにした。ジャケットを羽織ってシーナを起こさないようにそっと外へ出る。とりあえずデッキのに行ってみよう。
デッキに人影はなかった。潮風を浴びようと手すりに近づくと、地平線まで真っ黒な海が広がっている。心地良いような恐ろしいような、不思議な気持ちになる光景だった。
寝ぼけた中頭で、ぼんやりと明日のことを考えながらしばらく海を眺めることにした。