心地よい波の音でカナンは目を覚ました。
隣を見るとシーナがいない。もうどこかへ出かけたのだろうか。
とりあえず顔を洗ってザッと髪を整え、日課のストレッチを終えてもシーナは戻ってこない。
昨日ワシリに誘われてどこかに行ったきり、戻って来ていないということだろうか。
ということはワシリと一緒にいるのか?
いや、シーナはノリが良さそうに見えて軽はずみなことはしない性格だ。船旅の初日で、初めて会った男の部屋に泊まるとは思えなかった。
そう考えると、急に心配になってきた。
1階層に落とし物やトラブルがあったときに相談できる窓口があったはずだ。とりあえずそこに行ってみることにした。