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カナンは男の前に手を出して割って入った。

カナン「少し落ち着きましょう。お姉さんも困っているじゃないですか。」

しかし、男は頭に血が昇っていて聞く耳を持たない。カナンの肩をつかんで押し飛ばそうとしてきた。

瞬間、カナンは反射的に身をかがめて男の手を避けると、勢いをスカされた男は派手に転倒してしまった。

乗客の男「何をするんだ貴様!」

ドダっと床に転がった男は、気恥ずかしさでさらに興奮し、カナンに向かって掴みかかってきた。

カナンはさらに身をかわそうと構えたが、大きな壁のようなものが間に割って入ってきた。

ゴートン「コルチカム号、船長のゴートンだ。
お連れさんに関しては乗組員が捜索を開始していますので、落ち着いてください。
このまま騒ぎを起こすのならば、秩序のためにあなたを制圧しなくてはならない。」

太い声が響いて、男を制した。振り返ると、乗組員の制服を着た大柄な男が立っている。

船長と名乗る男は、威圧するように男にぐっと近づいて諭した。

乗客の男「…わかった。しっかり対応してくれよ。」

すごすごと壁際に歩いて待合用のベンチ腰掛けたが、納得はいかないようで大きな貧乏ゆすりをしている。