カナン「私にも手伝わせてください!友達も心配だし、部屋で待っているだけなんてできない。」
船長は少し考え込んだ後、カナンの目を真っ直ぐ見て言った。
ゴートン「では、力を貸していただきたい。
実は船員のほとんどは船内の仕事で手が一杯で、捜索に当たれるものが少なかったんだ。」
カナン「ありがとう。なんでもします。」
ゴートン「先程の行動を見るに勇敢なお嬢さんのようだが、くれぐれも無茶はしないでくれよ。」
ゴートン「では、とりあえず私と一緒に行動して聞き込みを手伝ってもらおう。
ホールにコリーネ部落の⼈たちに集まってもらっている。まずはそこからだ。」
ゴートン「コリーネの人たちのことは知っているか?」
カナン「…いえ、よく知りません。」
ゴートンの話では、30年以上前に起きた大戦時に敵国の捕虜としてこの国に残った人とその次の世代の一族のことを指すらしい。
文化レベルが低く粗野な性格のため、心よく思わない人が一定数いるのだとか。
ゴートン「特に彼らが持ち込んだとされる感染症に苦しんだ人やその家族は、すごく嫌っている人が多い。
ただ、話してみると普通の人ばかりだからあまり構えずに普通に接した方がよいと思うよ。」
ホールには緑の服の一団が何グループかに分かれてガヤガヤと話している。