当てもなく、この階層の中では人の匂いが薄い方へ歩きてきた。

とくに分かれ道もない通路だが、下に下る階段がある。

レン「…臭い。」

階段の奥からは、大勢の人と薬品と家畜を混ぜたような匂いがする。

一番下の階層を歩いているはずだが、あの階段はどこに続いているのだろうか。

なんとなく気になって覗き込んでいると、背後から声をかけられた。

??「そこは一般客は立ち入りできないフロアです。
どうか立ち入らないように」

レン「…すいません。」

ヨハレン「いえ、わかってくれればよいのです。
私はヨハレン。この船の連絡班の副班長をしています。
道に迷われたんですか?」

レン「…いえ、別に。」

レンはそそくさと立ち去った。適当に時間を潰したらメインホールに戻ろう。