メインホール

1階層メインホールに再び行くと、すぐに1組のコリーネの者が襲われいるところに出くわした。

乗客「お前らが何か隠してるのはわかってるんだ!こっちへ来い!」

コリーネの女性「私たちが何をしたっていうの!?」

4人の男が2人の中年女性の服を掴んで罵っている。どこかへ連れて行こうとしているようだ。

シェーン「やめなさい!」

シェーンは女性の服を掴んでいる男の腕に腕を絡めると、すっと体を入れ替えてねじり上げた。

男「お前たちは…仲間を助けに来たってわけか!」

シェーン「女性を狙うとは卑怯ではないですか。
話し合いならば時間を決めて貰えればいくらでも応じます。」

ホールで睨み合っていると、デッキの方からやはりコリーネ属を探していた男たちが現れた。

こちらは5人、向こうは10人になったところで、1人が無理やり女性を連れて行こうとした。

男「話を聞くだけだ!抵抗するならお前ら全員捕まえるぞ!」

途端に拮抗が崩れて全員でのもみ合いになった。しかし数で負けているので、女性を連れて行く男を止めることができない。

レンはもみくちゃになりながら大柄な男に張り手を食らわされて、たたらを踏んだ。

至近距離で嗅ぐ男性の汗の臭いで、鼻がマヒしそうだ。

男「子どもがいるじゃねえか。
よし、こいつも連れて行こう!」

男はレンを抑え込もうとして近づいてきた。

すると、小さい影が男の腰のあたりに組み付いて制した。トーテルだった。

トーテル「やめてくれ!俺はザイハラ家の息子だ!
ち、父はコリーネ族の差別思想には反対派だ!」

男は一瞬首をひねったが、特に怯む様子はない。

男「主催者の坊っちゃん、それはけっこうだが、船員の中にも俺達の支持者はたくさんいるんだ。
主催者は金を出してくれているが、何を裁くか決めるのはルールである船側の者だろ。」

レン「何言ってるんだ、その前に法律があるだろ!
あなた達は暴力に訴えてるじゃないか!」

形勢は悪いまま、このままでは全員連れて行かれてしまう。

シェーン「みんな、一旦逃げるぞ!私が足止めする。」

ついにコリーネの男たちは散り散りに逃げ出した。