ホールから休業中の売店へ続く、人通りのほとんど無い通路にやってきた。

停滞した空気の中に、ふと彼の洗剤の臭いを感じた気がして立ち止まった。

おそらく間違いない。

その臭いは、照明の着いていない細い下り階段へと続いている。

レンは周囲を見渡すと、ゆっくりと階段を降りて分厚い扉に手をかけた。