恐る恐るドアを開けると、通路は照明が消えていた。

隙間から顔を出して見回したが誰もいないようなので、通路に出た。

??「お姉さんたち、この階の人じゃないね。」

ムート「誰だ!?」

レン「落ち着いて、僕もこの階の乗客じゃない。
説明が難しいけど、この船はやばいことになってる。上に逃げるところだよ。」

ムート「そうか、じゃあ一緒に逃げよう!」

カナン「待って、ムートさん。」

ワシリの組織が誘拐を行っていたということは、シーナの身が危ないのではないか。

カナンは危険を承知で、この階を探索したかった。

レン「悪いけど、僕は行くから。
お姉さん、なにか探し物があるとしても、一番奥の部屋には近づかないほうがいいと思うよ。
すごく…血の匂いがするんだ。」

少年は1階層への階段に向かって去って行った。