カナンの部屋

出港すると乗客は当てられた客室に荷物を置き、30分後にメインホールに集まることになっていた。
主催者の挨拶があるらしい。

カナンたちは割り当てられた客室に行き荷物を置いた。

カナン「さすが!いい感じの部屋だね。
あ、でも2人部屋はダブルベッドなんだ。カップル想定なのかな?」

シーナ「たまにはいいんじゃない!お互い、しばらく一緒に寝る相手もいなことだし!」

シーナは自虐的に言った。シーナは少し前に2年付き合った彼氏と別れたばかりだ。そしてカナンは1年ほど彼氏がいないので、寂しい年頃女性同士の旅行というわけだ。

シーナ「近くにいないかなー。私の良さに気づいてくれるいい男…
いや、顔から入ってくれてもいいけど…」

シーナはブツブツ言いながら荷物を広げ、衣類やら化粧品の置き場を探し始めた。彼女はこういうことは先に決めておかないと気になる性質なのだ。

カナン「シーナ、私ちょっと船の中見てくるね。」

シーナ「え〜!ちょっと待ってよ〜」

カナン「シーナのそれは時間かかるでしょ?私はもう終わったからさ。
主催者の挨拶の時に合流ね!」

シーナ「終わったって、荷物放り投げただけじゃん。ほんとにせっかちなんだから。」

シーナが文句を言い終わるころには、カナンはもう部屋の外に出ていた。船旅は始まったがもう夕方なのだ。部屋の中にいるなんてもったいない。

カナン「さ、どこに行こうかな〜」